LGBTとは
「LGBT」はレズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を並べた略称です。
新たな呼称として「LGBTQIA」同様の意味を持つLGBTに代わって、「QIA」を頭文字に持つセクシュアリティが含まれる、より多様性を表現した言葉である。セクシュアルマイノリティ(性的少数者・性的マイノリティ)をあらわす言葉として使われています。
LGBT総合研究所が全国の20歳~59歳の個人10万人を調査したところ、約8%がLGBTをはじめとする性的マイノリティであると回答したというデータがあります。
また、自分の性別を定めることに違和感を覚える・または定義しないでいる人Queer(クィア)、自分でもはっきりしない状態のQuestioning(クエスチョニング)の頭文字である「Q」を加え、「LGBTQ」と表記したり、他にも様々なセクシュアリティがある事を示すために「+」を加え「LGBTQ+」と表記する場合もあります。
多様な「性」
一言で「性」と言っても、大きく分けて「4つの性」があります。
1つ目は、自分自身の性自認である「心の性」
2つ目は、自分自身の「身体の性」
3つ目は、恋愛感情を抱く相手の性「恋愛対象の性」
4つ目は、服装やふるまい、言葉遣いなどの「表現する性」です。
性は「男性」と「女性」という二種類だけではありません。「男性」や「女性」など、生まれた時の身体の性と、生きたい性・心の性が違う人、「男性」「女性」に当てはまらない自分だけの性を持つ人、中性的な心を持つ人や、同性・異性に関わらず、「男性」にも「女性」にも関心がない人もいます。
また、好きになる相手の性と自分の性が同じ場合もありますし、言葉では説明できない性の感覚を持つ人もいます。
多様化する「性的マイノリティ」
現代において性のあり方と性的マイノリティは多様化していますが、様々な解決すべき課題があります。
性的マイノリティの人々への理解は広がってきているものの、まだ差別的な傾向にあることや、性的マイノリティへの配慮、そして性的マイノリティの精神的負担、それに伴う配慮の問題などがあがります。
精神的負担と配慮
性的マイノリティが抱える精神的負担やプレッシャーは小さくありません。
例えば他者との違い、個性や立ち振る舞いを差別的に見て「男(女)のくせに」、「気持ち悪い」などの心無い言葉を投げかけられ、自尊心や感情を深く傷つけられることがあります。
社会に出てからも差別的な見方をされることがあることから、悩みを抱えるケースが発生し、本当の自分を隠して周囲に合わせようとしてしまいます。
これだけでも自分の心のまま、ありのままに生きられないことが負担となってしまいますが、結果として自己肯定感や自尊感情の低下が起こり、自殺を考える、自殺未遂におよぶと言うケースもあります。ゲイやバイセクシャルの男性は、異性愛者と比較しても自殺未遂リスクが約5.9倍も高いというデータも得られています。
悪気が無くても、無理解や軽はずみな言動で傷つく人がいるということを心に留め、また勝手に言いふらすような行為(アウンティング)が人を傷つけるということを、認識しておかなければなりません。
LGBTを取り巻く様々な問題
日本でのLGBTに関する課題はまだ山積みであり、解決しなければならない事が多くあります。教育や仕事、結婚など各分野において、直面している困難やそれぞれ改善するための取り組みはなされていますが、世界的に見れば日本の対応や法整備などは遅れてます。
思春期は人格形成に必要な時期であり、性的指向や性自認は認識する場合が多いため、教育の現場ではLGBTへの対応が特に強く求められています。
しかし、日本ではLGBTへの理解が乏しく法整備がなされていないこと、理解がなされず配慮が欠けていること、認められていないことによる問題が発生しています。
LGBTについて深く理解すること、そしてその相手は自分と対等で真摯に向き合うべき相手だと思って接する必要があります。
ジェンダー平等を実現するために
性的マイノリティの人は自分自身の身近にもいるかもしれません。しかしそれを安心してカミングアウトできない世の中であることから、悩みを抱えたり、生きづらさを感じている人々が多くいます。
そのような人々が自分を隠さなければならない、あるいは周りに知られ差別されている社会は、ジェンダー平等とは言えません。性的マイノリティであっても、ありのまま、心のままでも差別されることなく、自由に生きる権利があります。私たちができることは、このような性的マイノリティのことを知り、ジェンダー平等な社会を実現できるよう理解を深めていくことが第一歩となります。
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