パニック症は不安症群のひとつで、理由もなくいきなり動悸が激しくなったり、呼吸困難、死の恐怖、抑制力を失う恐怖、発汗、めまいに襲われるパニック発作が主な症状。
パニック発作は複数の症状が同時に起こり、一瞬でピークに達するが長くても1時間ほどで鎮静化し、数時間や数日単位で繰り返し起こる。「またあの発作が起こるのではないか」「今度発作が起こったら死ぬかもしれない」という予期不安や、発作に関連した行動や場所を避けようとする回避行動をとる 。
パニック症で現れる症状
心臓がどきどきする······················ 心臓が破裂しそう、口から飛び出しそうなど激しい感覚
冷や汗をかく································ 恐怖心や不安感による発汗
手足や体が震える························· 筋肉が収縮し、自分の意思と関係なく震える
息切れ、息苦しさ························· 呼吸が速くなったり、荒くなり息をすることが困難な状態になる
失神しそうな感覚························· 頭がフラフラし、眩暈、頭から血がひいていく
制御不能の恐怖····························· 人前で取り乱し、とんでもないことをしてしまうかもという恐怖
現実感がない································ 「雲の上を歩いているよう」「周囲が灰色に見える」
死んでしまうと思う······················ 激しい身体状態にともない、恐怖が高まって死を意識する
パニック発作が起こった時に楽な体勢
腹ばいになるか、頭が膝の間に入るくらい前かがみになって椅子に座らせる
自然に腹式呼吸になり過呼吸を防ぎ、自律神経を安定させることができる
発作時の状況
電車の中・運転中・会議中・エレベーターの中・レジ前など、いざというとき逃げ出せない場所
すぐに逃げ出せず助けてもらえない場所、パニック発作を起こしたら恥をかきそうな状況を恐れ避けようとする広場恐怖症を伴う人が多い。
食事中・睡眠中・テレビを見ているとき・美容院でなど、リラックスしていた時に突然の不安感
秋と冬に多い
パニック症と鬱病の関係
パニック症に併発する抑うつは、従来のうつ病と少し違う特徴を持っている。
この状態をパニック性不安うつ病と呼び、その特徴から非定型うつ病に近いといえる。
うつ病
ほとんど全ての活動に楽しさを感じられない
抑うつ気分が周囲には理解できないほど病的
朝にもっとも具合が悪い
早朝に目が覚めそのまま眠れない
頭の回転が低下したように感じる
自分を責める
周囲は「がんばれ」など励ましてはいけない
パニック性不安うつ病
好きなことには元気が出る
なぜ抑うつ気分になのか周囲は理解できる
夕方から夜にかけてうつ状態が悪化する
睡眠中に目が覚めて眠れないことがある
イライラや焦燥感がある
自分を責めることはない
本人は少し頑張らないといけない
広場恐怖を克服するには自分の足で踏み出すことが大事になります。
通所時、電車に乗るのを怖がる方がいれば、まずは家から最寄りの駅まで。
翌日は一駅だけ、次の日にはもう一駅先まで・・・と小さな目標を立て、達成できたときに私たちもひかりの職員も一緒になって喜び合い、自信へと繋げて行きたい。
うつ病の人に対しては「励ましてはいけない」と言われますが、パニック性不安うつ病の場合、本人の頑張りも必要になります。
プレッシャーに感じないよう言葉を選びながら、前向きな気持ちになれるような励ましの言葉をかけるよう心がけていきたい。
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